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西所沢家つくり通信


by nishi-toco-hill

マトリクス沼の話

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ある程度の年齢の洋楽ファンなら一度は聞いたことがあるロックの名盤、ピンクフロイドの「THE DARK SIDE OF THE MOON」。あらゆるジャンルのレコードのなかでもっとも売れた、で、現在も売れ続けているアルバムのひとつ。少なくとも5000万枚以上売れたとされていますが、ぼくは1億枚近いか、突破してる可能性もあると思います。ぼくだけでCD10枚以上買ってますし(笑い)。
チョットどいて、写真撮ってるんだから!
日本では「狂気」のタイトルでおなじみですが、欧州各国盤、南米各国盤、韓国台湾盤、たしかインド盤も存在します。
CDでは中国盤もあり、タイトルはたしか「月影◯◯」という感じだったと思います。ぼくは北京の王府井で購入しました。ちなみにそのときぼくが北京にいたのは週刊ポストの記事のため北京モーターショーでゴーンさんからコメントをもらうためでしたが、前夜現地のキャバ◯ラでかなり飲んで完全寝坊してエライ目に遭いました。ただしコメントはゲット。ゴーンさんが「酒クサ!」って表情だった気もしますが、もともとああいうコワモテでらっしゃるし。
まあそれはどうでもいいけど、このレコードを見てください。ラベルの左側にひっかきキズみたいなのが見えますよね。これがマトリクスです。
そしてレーベルにはSMAS-11163というレコード番号がプリントされているでしょ?
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これはアメリカのキャピトルレコードからリリースされたDARK SIDEです。このレコードのラベルは、そのカラー配色からブラックレインボーと呼ばれますが、ピンクフロイドはイギリスのバンドだし、アメリカのレコード会社のレーベルデザインをそのまま流用しただけなので、一般的にはピンクフロイドのレコードの価値としては最下位にくるシロモノです。
ところがこれはマトリクスとレコード番号から、アメリカのフィラデルフィアの工場でプレスされたもので、B面は通常のステレオ音源で収録されていますが、なぜかA面のみがクアドラ=4チャンネルという珍盤であることが判明。
しかもレコードからCDへの移行期の最後にプレスされたものなので、今ではかなりのレア盤扱いされています。
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どいてってば!
このアルバムには2枚のポスターが付属していて、ピラミッドのポスターは、イギリス盤ではブルーのフィルターがかかっていますが、アメリカ盤はなぜかグリーンで、しかもピラミッドの背景も大きく取り込んだトリミングなのでピラミッドが遠景というか小さいんです。
そんなわけでぼくはこのポスターの現物を今まで一度も見たことがなかったので、ヤフーの貯まっていたTポイントを使って購入しました。2800円だったかな。格安です。
こんなふうにレコードマニアはマトリクスやレコード番号の沼にハマりながら、日々を過ごしているのでありました。
ジャマだから。




# by nishi-toco-hill | 2019-07-08 14:49 | 音楽生活
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このレコードはご存知でしょうか。ユーミンこと荒井由実のデビュー作、「ひこうき雲」です。73年リリースで、なんともう半世紀近いんですね。ジブリ映画「風立ちぬ」のテーマ曲にもなり、たしか映画に合わせたリニューアル限定盤も発売されました。
さて写真をご覧ください。これは「ひこうき雲」のファーストプレスで、超レア盤です。ジャケットのセンター上部に「ALFA」というロゴがデカデカとプリントされてます。
これはリリース当時、村井邦彦氏が立ち上げた新しいレコードレーベル、アルファが、自らの新レーベルの門出を誇らかに宣言すべく刻印したものですが、このレコードを配給したのは販売委託を受けた東芝音工で、このロゴに対して東芝側からクレームがついて結局店頭から回収される騒ぎとなりました。
またたしかジャケットの背にプリントされたクレジットに「荒井由美」と、「実」と「美」を取り違える誤植があったのです。
その後、ALFAロゴが小さく片隅にプリントされ、誤植が残ったバージョン、ロゴが無くなったバージョン、見開きだったジャケットがシングルジャケに変更され黒い帯がついたバージョン、そしてアルファレコードが自ら販売した時代の白帯バージョン、松任谷由実以前の荒井由実時代のボックスセット、やがてCDと、いろんなバージョンが世に出て行きます。それぞれに前回紹介したマトリクスやレコード番号というものが振り当てられ、識別できるようになっています。面倒ですよね。
ぼくはこのオリジナル盤を、とある田舎の古本屋にゴミ同然の状態で置かれていたジャンクレコードのダンボール箱のなかから見つけて即買いしました。もちろん超レア盤だってことは知っていたので、膝が震えるというほどじゃないけど、一瞬興奮しました。まあ人によったらガクブルものですね。そのときほかにも八代亜紀のライブ盤など数枚買ったと思うんだけど、やっぱりひこうき雲のインパクトで他が何だったかは忘れました。
ただしぼく自身は音楽とジャケットのアートが好きなだけで、必ずしもレコード収集が目的ではないので、高い値段がつくレコードは頃合いを見計らって売り払います。
このレコードは初夏のころ、インターネットで6万8900円で売れましたが、ぼくにはもっと高い値段で売れた経験がほかにもいくつかあるので大して驚きはしませんでした。
これがオリジナルの帯、いわゆる「銀帯」がついていてキレイな「完品」状態なら、今なら20万円は行くと思います。当時はまだ若手ベーシストだった細野晴臣さんら腕利きのミュージシャンがレコーディングに大結集していることなんかからも、このアルバムの価値は近頃うなぎのぼりです。
ぼくは当然、ゴミのような値段で買ったわけだけど、ぼくは世界中どこに行っても、レコード屋さんに立ち寄るクセがあるので、(自分で言うのもなんだけど)その時間と情熱の報酬と考えれば68900円は全然高くはない、ぼくはそういう価値観です。
ミュージシャンやシンガー、タレントが亡くなってレコード価格が跳ね上がったりするのはたまらなく嫌なので、ぼくはわりとすぐ売り出す性格なんです。
次回は、先にご紹介したマトリクスにまつわるお話を。


# by nishi-toco-hill | 2019-07-07 00:46 | 音楽生活
「モーゼスブルー」を買った次の日、もう一度、所沢イオンに行って、昨日迷ったアルバムを買いました。GODLEY&CREMEの「GOODBYE BLUE SKY」です。
UKオリジナル盤なので、マニア心をちょっとくすぐられます。やっぱりUK盤だからですよ、わざわざアナログレコードを買ったのは。
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グランドキャニオンみたいな大渓谷の底から、青空に向かって突き出された大きなハーモニカ。これはアルバム全編ハーモニカをフィーチャーした、いかにも英国人らしいエキセントリックなロックアルバム。

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少しマニアックな話になりますが、赤いレーベルのまわりには光にかざして見ないとわからないぐらい薄い刻印があって、これをマトリックスと呼びます。レコード会社により書き方は異なりますが、そのレコードがどこの国のどこの工場でプレスされたか、何度目のプレスか数字でわかり、当然、ファーストプレスがいちばん価値があります。まれにレコード制作エンジニアの名前が刻まれていることもあり、ジャズの名レーベル、ブルーノートみたいに、VAN GELDER(伝説のレコーディングエンジニア)という刻印のせいで価値がグーンとアップしたりすることもあります。これはエンジニア本人が作った原盤からプレスされたという意味。原盤は20万枚ぐらいプレスするとオシャカになるそうで、厳密にはそれ以降の再プレス盤はオリジナルじゃないってことになりますが、最近のアナログレコードブームで「UKオリジナル」なんて書いてあっても実はオリジナルじゃないことが圧倒的に多いのです。
さてこのレコードのマトリクスを見てみましょう。両サイドともにあっさり「1 1 」とだけ刻印してあって、UKオリジナルみたい。
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リリース年の88年はアナログレコードからCDへの大転換期で、もしかしたらファーストプレスのみで、それ以降は再プレスされることもなかったかもしれません。玄人にはウケても、ヒットチャートを賑わすようなスターではもともとないし。
マトリックスと並んでこのレコードには「TOWNHOUSE」という刻印もあります。これは元ヴァージンレコードの創業者であり現ヴァージンアトランティックのCEO、そして冒険者であるリチャード・ブランソンさんが作ったロンドンのスタジオのことみたいで、あそこでレコーディングされたんだなぁ。でもそこでレコードプレスまではしないはずだから、わざわざ刻印したのはタウンハウスで録音したことがよほど楽しい経験だったからかも。なにせ今では伝説的なレコーディング機材が新しく導入されたばかりのスタジオだったから。このタウンハウスからも世界的なヒットアルバムがいくつも生まれています。
スタジオと言えばぼくも一度取材であのアビーロードスタジオに入ったことがあるけど、おそらくビートルズも使ったと思われる古い機材が廊下にところ狭しと並べてありました。その後、ビートルズの音源がリマスターされたとき、「イエローサブマリン」はあの機材を再びスタジオにセットし直して音を出し、マイクで音を拾ったっていうから、スタジオの機材というのは、楽器にも近い大事なファクターなんでしょうね。
さてそんなことをいろいろ想像しながらレコードを鑑賞してますが、まさか所沢ダイエーにこんなお宝が眠っていたとは! まあ中古レコード市場ではそんなプレミア盤でも何でもありませんけどね。ちなみにおいくら? 1750円の50%オフでした。
所沢ダイエーさんありがとう、そしてさらばダイエー。これでぼくは思い残すことはありません。
ちなみにぼくはブランソンさんにインタビューするためにロンドンに行く予定が、湾岸戦争の影響で会社から海外渡航禁止令が出て、それっきりになったことがありました。あのときからセキュリティーにもっともっと注意を払っていればいくつかの航空機テロは防げたかも。戦争は愚か。

# by nishi-toco-hill | 2019-07-01 15:17 | 音楽生活

モーゼスブルーについて

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昨日、所沢イオンのバンダレコードで見つけた「モーゼスブルー」が、冷んやりした梅雨の空気を振動させています。タイトルは「預言者の青」という感じだと思いますが、CTIにしてはホットでプログレッシブなサウンド ですね。
CTIレーベルのレコードは、レーベルの統一感を打ち出したジャケットのアートワークがどれもクールで美しく、これはアナログレコードじゃないと楽しみも半減します。
ランディは北アフリカ出身のピアニストですが、このアルバムはライナーによるとモロッコ地域部族のアラビア系の宗教音楽を、とくにその複雑なリズムをコンテンポラリーなジャズのなかに編み込んだもののようで、青は部族のアイコンになっているカラーだそうです。ランディのエレピからもアラビックなメロディーがときおり顔をのぞかせます。タイトルトラックは13分15秒と長いのでいろんなモチーフが登場してきて、ジャケット内側の解説を読みながら聴いているといろんな想像に誘われます。


# by nishi-toco-hill | 2019-06-29 14:49
ほんとにご無沙汰してしまいました。でもずっと元気でしたヨ。みなさまもきっとお元気でお過ごしのことと思います。
 さて昨日、Yahoo!トップニュースで報じられた所沢イオンの閉店。イオンていうより、吸収合併後もやっぱりぼくのなかでは所沢ダイエーでしたが。閉店の報にビックリはしませんでしたが、ニシトコに引っ越してきたからときどきお世話になっていたのと、1階に自転車屋さんがオープンしたときにそこでアルバイトしようかと思ったこともあり、なんかさみしい気持ち。
 この店は西武のおひざ元にダイエーが出店するという、流通とプロ野球をひっくるめた当時話題の店舗だったそうで、その顛末はwikiにも詳しく載ってます。
 そこで今日は久々にビアンキカメレオンテ2を引っ張りだして、腕時計の電池交換もかねてダイエー周遊ポタリングに行ってきました。
 そこで見たものは! 歯が抜けたようにテナントが撤退したフロアと、在庫処分セールが始まってすでに良さげなものはほとんど売り切れてしまった、嵐の後のような棚、棚、棚。
 ぼくが急いで向かったのは4階のバンダレコード。するとなんでか、バンダのとなりの空きスペースに大量のアナログレコードが半額になって放り出されていたので、当然、すべてチェックしましたよー。
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最初の3箱ぐらいを見終えたところで、これはもう収穫なしだなと思いながら、1000枚ぐらいをザザザーッとチェックして、たった一枚だけ買ったのはランディ・ウエストンの「モーゼスブルー」というアルバム。70年代フュージョン・ブームの先駆けとなったCTIレーベルからの一枚で、当時はクロスオーバーと呼ばれてましたが、USオリジナル盤です。「三球・照代ののりものアラカルト」というLPも買うかどうか迷いましたが、たぶん買っても一生プレイしないと思うのできっぱりやめました。
 このアナログレコードたちは、ここまでいったいどこに眠っていたのでしょう。
 実はウチが西所沢ソーラータウンを見学にきた2008年頃、バンダレコード所沢店はダイエーではなく、プロぺ通りにたしか2軒あったのです。一軒はプロぺ通り入り口の三菱銀行の真向い、それとプロぺから少し横道に入ったビルの2階に、中古レコード屋さんとして営業していたんです。
 世界中どこに行ってもレコードショップをのぞかずにはいられないたちのぼくは、ソーラータウンのモデルハウスを見にくるときも、所沢近辺のレコードショップの情報を仕入れてきていたのです。
 ぼくが世界最強と考えている中古レコード店は、LAのメルローズアヴェニュー、フェアファックス高校の向かいにあるその名もレコードコレクターズという店ですが、その話はまた別の機会に。
 さて中古レコード専門のバンダレコードは、ウチがニシトコに引っ越した2010年にはもう閉店していましたが、今日ここで出会ったレコードは、きっとその売れ残りだったのではないかと思います。
 言っておきますが、もうここには価値のあるレコードは残っていません、一枚も。ぼくが買ったCTIのレコードが最後の一枚でしたから。
 でもレコード以外、CDやDVDもセールになっていたので、明日も行ってきまぁーす。
 ところで電池交換は、2階の時計屋さんが混雑してて時間がかかるってことで、今日はできなかったんですよ。
# by nishi-toco-hill | 2019-06-28 18:33 | 街歩き